第一章 八月一日。退院する妹を病院へ迎えに行く

 「だっる~......」

 妹の入院してる病院目指してチャリンコのペダルをこぎながら、思わず愚痴が漏れた。

 全く、せっかくの夏休みやっちゅーのに、なんでこのクソ暑い時間帯からチャリで山道上らなアカンねん。硬軟病院はなんであんな山の上にあるんや。

 しかも、視界がホワイトアウトしそうなくらい強烈なこの日差し。道路には木陰なんかないしな。病院に着く頃には俺が患者になってるっちゅーねん。

 妹も退院すんのはええけど、せめて夏休み終わってからとか、もうちょっと時期選んでほしいわ。迎えに行く側の事も考えてくれっちゅーねんホンマ。あーくそ、親父が田舎帰ってなかったら、こんな坂道なんて車であっちゅう間やのに。っていうか、わざわざ俺が迎えに来る必要なにのに。

 坂の途中で力尽きて、チャリから降りると手で押す形に切り替えた。マジで息上がってしんどい。何でこんなしんどい思いしてまで迎えに来なアカンねん。このまま帰ったろかな......。

 大体なー、俺、こう言うとなんやけど、妹のこと苦手やねんなー。なんか無口で強情で、しかも親は必ず病弱な妹の味方するから、アイツ甘えたい放題やし......。やっぱ現実で無口系のキャラはアカンよ。会話にならへんもん。迎えに行くのは別にええけど、連れて帰ってくる道中のこと考えたら、ホンマそれだけでうんざりしてくるわ......。

 とかなんとか考えてる間に、何とか坂を登りきった。気ぃ狂ったみたいなセミの鳴き声の中、硬軟病院のアホみたいにでかい建物が聳え立ってる。

译文:

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